骨・関節系の病気 「関節リウマチ」
■手足の関節に症状がでる自己免疫疾患
異常を起こしたリンパ球が血液を循環することで関節内に炎症を起こし、痛みや関節の変形
を引き起こす疾患。 40歳代前後の女性に好発する。多くは慢性的に進行し、治療が施
されなければ滑膜炎や関節破壊に至る。かつては不治の病とされていたが、生物学的製剤と
呼ばれる薬剤が登場したことで進行を抑えることが可能になった。しかし、難病指定の悪性
関節リウマチなどもあり、長期の療養が必要なことが多い。
■症状■
【初期症状】●発熱●倦怠感●貧血●皮膚の乾燥など【関節症状】●関節炎(左右対称、3か所以上)
●こわばり (主に朝、指関節が動かしにくい)●変形【全身症状】●食欲不振●体重減少
●リウマトイド結節(心臓、肺、腱などにできる小結節。無痛で自然に消えることが多い)
■治療法■
●薬物療法 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)、ステロイド薬、抗リウマチ薬、
生物学的製剤を投与する
●手術 薬が効かない場合、関節固定術、滑膜切除術などを行う
●自助具 生活障害を改善し、関節の保護や変形予防にもなる
●リハビリテーション 関節機能の維持のために行うことがある
●人工関節 関節破壊が進んだ際に用いる
★高齢者には注意が必要です★
①60歳代以上で発症する高齢発症関節リウマチも認められている。
この場合、発症に男女差はない
②若年者と比較して炎症や痛み、腫れが強い
☑アセスメントのポイント
●日常生活での痛みの程度はどうか
●疾患により生じている日常生活の不自由は何か
●福祉用具、装具の使用などにより改善できるADLは何か
🌸ケアプラン作成のツボ🌸
今後の見通しと支援
関節の症状以外にも、発熱、易疲労感、貧血など全身の症状が現れます。
血管の炎症による心筋梗塞や脳梗塞の発症にも注意が必要です。
関節保護を基本とした生活指導、自助具などでの生活の工夫が必要です。
日常生活の留意点
●継続した薬物治療や診察が必要です。薬の効果や副作用の確認、
受診の継続など医療との連携をしっかり行います
●関節の負担のかからないよう、床材の変更など環境整備、
自助具や補装具のりようを進めます
●服装は保温力があり着脱しやすいものを選びます
●症状に応じて、自宅で簡単にできるリウマチ体操など適度な運動
を続けます
●多量の飲酒や喫煙は避け、規則正しい生活をおくれるよう支援します
医療連携のポイント
● 薬の効果や副作用の確認
● 運動療法の可否などの評価
● 受診の継続の支援
副作用・治療の影響
抗リウマチ薬の中心となるメトトレキサートは、高齢者では血症板減少症、
間質性肺炎などの副作用が起こりうるため注意が必要
使える制度
身体障害者手帳 障害年金 障害者総合支援法(補装具など)