■潜伏していたウイルスによる発疹や水疱
身体の左右どちらかの片側に、帯のように水ぶくれ(水疱)の集まりができる疼痛を伴う病気
で、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染で起こる。水痘帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)が
、脊髄に長く潜伏した後、皮膚に伝わり、疲労や免疫力の低下、ストレスなどを誘因として再
び活性化して発症。神経痛に似た痛みを伴い、 発疹や水疱が出現。通常、3週間程度で皮膚
症状は消失。感染症なので、免疫が弱い小児、高齢者、妊婦で水痘(すいとう)(みずぼうそ
う)に罹患したことのない人に対しては特に配慮が必要。
■症状
【発症中】●帯状の赤い発疹●水疱●かゆみ●神経痛のような疼痛●発熱●潰瘍など
【治癒後】●しびれ●知覚過敏●帯状疱疹後神経痛
■治療法
薬物療法:抗ウイルス薬
(神経症状を及ぼす危険があるため、投与後にせん妄・妄想・意識障害などが出
ないか確認。
また呼吸器系、肝疾患のある人には息苦しさ、動悸、吐き気などが出現する可
能性もあるため留意する)
鎮痛剤
(痛みに対しては消炎鎮痛剤や副腎皮質ステロイドなどを用いる)
重症の場合は入院のうえ点滴
栄養管理:低栄養状態もリスク
神経ブロック療法:鎮痛目的で行う
★高齢者には注意が必要です★
①水痘に罹患したことのない人には感染する可能性があり、
とくに免疫力が低い高齢者には配慮が必要
②皮膚症状が治まった後も帯状疱疹後神経痛が残りやすい
☑アセスメントのポイント
●痛みによる日常生活動作の支障はどの程度か
●精神面での影響はあるか
●長く痛みが残る帯状疱疹後神経痛はないか
🌸ケアプラン作成のツボ🌸
今後の見通しと支援
早期発見・早期治療をすれば、一般的に後遺症は少なく予後は良好。
高齢者の場合は重症化しやすく、帯状疱疹後神経痛が長期間残ることがある。
日常生活においては、免疫力を高められるよう援助。
日常生活の留意点
●痛みが激しいと、患部をかばって転倒する危険があるため、転倒予防に留意
●規則正しい生活を心がけて、栄養と睡眠を十分に摂れるように配慮
●幹部はむやみに触らず、清潔を保つ
●発疹が悪化する可能性があるため、飲食は避ける
●患部は冷やさずに、できるだけ温めて血行をよくする
●まれに髄膜炎や脳炎を起こすことがある。
頭痛、首の痛み、高熱、物が二重にみえるなどの症状が出た場合はすぐに受診が必要
医療連携のポイント
● 帯状疱疹後神経痛について確認
● 合併症が疑われる場合の症状について確認
副作用・治療の影響
帯状疱疹のあとに神経痛(帯状疱疹後神経痛)や顔面神経麻痺などの後遺症が残る
場合は、別途治療やリハビリテーションが必要