皮膚の病気 「白癬」
■水虫も爪白癬も、どちらも同じ菌による皮膚感染症
真菌(カビ)の一種である皮膚糸状菌(白癬菌)が皮膚に感染して起こる病気。病変の部位
により、足白癬(水虫)、爪白癬(爪の水虫)、手白癬(手の水虫)、体部白癬(ゼニたむ
し)、股部白癬(いんきんたむし)、頭部白癬(しらくも)、ケルスス禿瘡などに分類。皮
膚科では比較的多い病気で、外来の患者さんの10~15%を占めます。白癬菌はじゅうた
ん、畳、寝具、足拭きマット、靴やスリッパなど、ありとあらゆるところに潜伏しているの
で、掃除や洗濯をまめにする。また、感染予防のため、枕・タオル・足拭きマット・スリッ
パなどは本人専用にし、共有しない。身体を清潔にし、とくに足の指の間はしっかり洗い、
きちんと拭いてよく乾燥。温度・湿度が高い環境で繁殖が活発になるため、梅雨から夏はと
くに注意が必要。
◇症状◇
【足白癬】●激しいかゆみ●足の指の間が赤く腫れる●足裏に水疱ができる●足裏・かかとの
角質が硬くなる
【爪白癬】●爪が厚くなり、白濁する
【体部白癬】●赤い湿疹ができ、輪状に広がる
【頭部白癬】●頭皮の炎症と脱毛。頭部白癬にステロイド薬を外用し重症化したのがケルズ
ス禿瘡
◇治療法◇
薬物療法:抗真菌薬、抗白癬剤
※角質増殖型足白癬、爪白癬、ケルズス禿瘡など、あるいは広範囲、難治性、再発性の症例
では内服薬も使用
★高齢者には注意が必要です★
症状が改善したからといって自己判断で治療をやめない。
菌が無くなるまで、医師の指示に従い治療を継続する。
☑アセスメントのポイント
●糖尿病など注意を要する基礎疾患はないか
●感染対策への本人の理解はどうか
●治療の状況の確認
🌸ケアプラン作成のツボ🌸
今後の見通しと支援
白癬があると、患部から別の細菌に感染しやすい。
特に糖尿病の基礎疾患がある人は注意
日常生活の留意点
●白癬は感染するため、足の爪切り、スリッパや足拭きマットなどの共用は避ける。
床もよく拭いて清潔を保つ
●症状がなくなっても菌が角質内に残存していることがある。医師の指示に従い治療を
継続すること。自己判断で止めないことが必要。
●患部は石けんでよく洗い、清潔を保つ
●足の通気性を良くする
医療連携のポイント
医師の指示通りの通院や検査を継続
副作用・治療の影響
爪白癬の服用薬は肝臓に負担がかかるため内服中1か月に1回は肝機能の検査を行う