がん・その他の病気 「肝臓がん」
■肝炎ウイルスに感染して生じる、肝臓内の悪性腫瘍
肝臓がんは栄養素の合成、分解貯蔵、解毒に関係する肝細胞に発生する肝細胞がんと、胆汁
の通り道である胆管の上皮を形成する細胞に発生する胆管細胞がん(肝内胆管がん)の2つ
でほとんどを占めている。肝臓がんの主な原因はC型肝炎ウイルスの特徴的な感染とされて
いる。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期の自覚症状はほとんどない。
◇症状◇
【初期】●自覚症状はほとんどない
【進行】●悪心●自覚症状ほとんどない場合もある。●右上腹部のしこり●背中の痛み、
重圧感 ●倦怠感●食欲不振●黄疸
【末期】●突然の腹痛●貧血
◇治療法◇
●手術 部分切除、肝切除、肝移植、肝動脈塞栓術
●局所療法
●ラジオ波焼灼法
●化学療法 抗がん剤治療、分子標的治療、放射線治療
★高齢者には注意が必要です★
①喫煙や飲酒は肝機能を低下させるので、禁煙し、飲酒を控えるよう援助する
②再発を防止するために定期的な健診を促す
☑アセスメントのポイント
●背景に肝炎ウイルスの感染があるか
●疾患の症状による苦痛はどの程度あるか
●飲酒、喫煙はしているか
🌸ケアプラン作成のツボ🌸
今後の見通しと支援
肝臓がんのうち肝細胞がんの75%は、C型肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎や肝硬変
などを併発していることが多いです。そのため、これらの肝障害に対する対応や配慮も
必要です。
日常生活の留意点
●肝機能低下の原因となりますので、禁煙をすすめます
●食事は適正エネルギーで、栄養バランスのよいものとします
●体力の回復にあわせて散歩など軽い運動を行います。
疲れをためず規則正しい生活を送ることが大切です
医療連携のポイント
●定期的な通院・検査
●肝臓疾患による食事制限の確認
●身体の異常を感じた場合は受診する
副作用・治療の影響
肝臓切除による後遺症に胆汁漏、胸水、腹水がある。まれに肝不全が認められる