脳・神経系の病気 「アルツハイマー型認知症」
■認知症では最多の病型
脳神経細胞に異常なたんぱく質が溜まり、神経細胞が破壊されて脳の萎縮が起こる疾患。
記憶力、判断力など脳の機能が低下する。認知症全体のおよそ半数を占める最多の病型で
発症が65歳より前か以降かにより、早発型と晩発型大別される。
神経伝達物質の異常、神経細胞の脱落、大脳の萎縮などが起こり、種々の症状をきたす。
症状は徐々に進行していき、大きく区分すると3つの段階を経て末期に至る。年齢、遺伝
のほか、高血圧や糖尿病といった生活習慣など、いくつもの要素が発症の因子として報告
されており、特に女性に多いとされる。
◇治療法◇
●薬物療法 進行を遅らせ、周辺症状を緩和するアスチルコリンエステラーゼ阻害薬を
投与する
★高齢者には注意が必要です★
①病識に乏しいため、受容的な対応、不安を取り除く支援が必要
②自身の欲求に無頓着になるので、水分補給など健康の維持にも留意する
☑アセスメントのポイント
●認知障害がどの程度日常生活の障害になっているか
●周辺症状が生じるきっかけや頻度、時間帯、経過は?
●地域の医療・介護にかかわる社会資源の確認
🌸ケアプラン作成のツボ🌸
今後の見通しと支援
認知症は進行する疾患です。中期から末期では身体機能の低下や嚥下困難が現れ、医療
との連携がより重要になります。さまざまな社会資源を活用し、周辺症状の予防や軽減
、支える家族の介護負担の軽減を支援します。
日常生活の留意点
●本人が行いたいこと、できる作業は継続できるようにして、
役割を持って毎日をすごせるよう支援します
●散歩を定期的に行うなど、日中の運動量を増やし生活リズムが崩れないよう配慮します
●確実に服用できるような工夫をします
●火の不始末に対する自動消火装置など、安全を守る工夫をします
※地域包括支援センターと連携し、認知症初期集中支援チームによる周辺症状予防の家
族教育・家族支援を行います
医療連携のポイント
●服薬状況についての情報提供、相談、指導
●生活支援(中期から末期)
副作用・治療の影響
抗精神病薬の投与中は、歩行障害、転倒、起立性低血圧、嚥下障害、
構音障害、過鎮静など