脳・神経系の病気 「くも膜下出血」
■脂肪率の高い脳動脈瘤の破裂
くも膜下出血とは、脳の表面をおおう膜のひとつである「くも膜」の下に出血がある状態をい
います。原因は、脳の血管のふくらみである「脳動脈瘤」の破裂によることがほとんどです。
主に、脳動脈瘤(脳動脈が部分的にこぶ状にふくらんだもの)が破裂し、くも膜と軟膜の間に
ある、くも膜下腔に出血することで起こることが多い。
脳動脈瘤は100人中2~3人にあるといわれ、遺伝的な原因が指摘されている。
動脈瘤以外の原因としては、飲酒、喫煙、高血圧などが挙げられます。
◇症状◇
●突然の激しい頭痛●嘔吐●一過性の意識障害●けいれん
※動脈瘤破裂の前に動眼神経麻痺(物が二重に見えたり、まぶたが閉じなくなる症状)が
出現することもある
◇治療法◇
●開頭クリッピング術 動脈瘤を金属のクリップで留める
●脳動脈コイル塞栓術 動脈瘤に柔らかい金属コイルを詰める
●リハビリテーション 生活障害、高次脳機能障害が残った場合
★高齢者には注意が必要です★
①体力的に手術が困難となり、脳自体の回復力も弱まっている。さらに合併症を起こしやすい
ことから、致命的になる可能性が高い
②回復しても自立が損なわれることが多い
☑アセスメントのポイント
●疾病管理の方針を確認
●失行、失認、失語の有無、高次脳機能低下による生活への影響はどうか
🌸ケアプラン作成のツボ🌸
今後の見通しと支援
脳血管障害のなかでも死亡率が高い。重い後遺症が残りやすい。
医療との連携でリハビリテーションは早期から開始します。
再発防止では血圧管理が重要。
日常生活の留意点
●過度の安静は生活不活発病を引き起こします。
外出して他者とのコミュニケーションをもつなど、心身機能を活性化できるよう
働きかけましょう
●高次脳機能障害は「記憶」「言語」「思考」「注意」「判断」「行動」などに
障害が起き、外見からはわかりにくい。本人も自覚していないことがあるので、
疾患への理解とサポートが重要
●激しい頭痛や嘔吐などの症状が見られたら一刻も早い受診が必要
●約1か月経過してから発症する「遅発性水頭症」があり、認知症、尿失禁、
歩行障害などの症状が現れます。
医療連携のポイント
リハビリテーション評価、運動の程度の確認
使える制度
身体障害者手帳 障害年金 医療保険による訪問マッサージ