感覚器官の病気 「歯周病」
■誤嚥性肺炎を引き起こす危険性が高まる
病原菌が歯肉や歯周組織に炎症を起こす疾患。歯垢、歯石のほか、唾液の減少、噛み合わ
せ、ストレス、高血圧、糖尿病などが原因となりやすい。口内を不衛生にしていると病原
菌が増殖しやすくなるため、食後や就寝前の口内掃除は非常に重要となる。痛みなどの自
覚症状が乏しいため、進行に気付かないことが多い。歯周病の病原菌が血症板に入り込み
血栓を作りやすくすることで、心筋梗塞、閉塞性血栓性血管炎の発症リスクが高まる。
放置すると敗血症などにも移行する。また、誤嚥性肺炎の多くは口内細菌により引き起こ
される。
◇症状◇
●強い口臭●口腔内の粘つき●歯茎の腫れ●出血●歯槽膿漏●歯肉の退縮●歯のぐらつき
●ドライマウス●口内炎●誤嚥による肺炎
◇治療法◇
●歯石や細菌の除去
●禁煙
●口内掃除の指導
★高齢者には注意が必要です★
①毎日丁寧に歯磨きをするよう援助する
②介護が必要な場合は義歯の洗浄や口腔掃除をしっかり行うとともに、う歯(虫歯)、
欠損歯、腫れ、出血などがないか口腔内の観察を行う
☑アセスメントのポイント
●歯周病の進行状況はどうか
●口腔の清潔ケアはどのようにされているか
●糖尿病など増悪させる疾患の有無を確認
🌸ケアプラン作成のツボ🌸
今後の見通しと支援
歯周病は全身状態にも関係します。特に高齢者では、歯周病菌によって誤嚥性肺炎にかかり
やすくなるほか、虚血性心疾患や脳梗塞を起こす確率が高くなると言われます。生活習慣の
改善やしっかりとした口腔ケアが大切です。
日常生活の留意点
●毎食後に、歯ブラシ、歯間ブラシなどを使って丁寧に歯垢を取り除き、清潔に保ちます
●喫煙は、歯周病の危険因子であり、症状を悪化させます。禁煙を勧ましょう
●糖尿病があると、歯周病になりやすいといわれます。血糖値が高い場合は、適切にコン
トロールしましょう
●歯周病は誤嚥性肺炎のリスクを高めます。口腔ケアを毎日、決まった時間に確実に行え
るようにします
医療連携のポイント
●定期的な歯科受診により歯と歯肉の状態をチェック
副作用・治療の影響
歯周病の細菌により、動脈硬化、心血管疾患、肺炎などの合併症を起こすことがあり
注意が必要