循環器系の病気 「心不全」
■心臓のポンプ機能の衰えによって起こるうっ血が主な原因
心不全という言葉は病気の名前ではありません。心臓の機能が低下して、身体に十分な血液を
送り出せなくなった状態を呼びます。心不全は血液を送り出す心臓のポンプ機能が低下し、身体
全体に十分な酸素が送れず、また、全身の血流が滞るために起こる疾患。心筋梗塞などから急激
に症状が出る急性心不全と、心臓弁膜症や心筋症により心臓が衰え、慢性的に症状が出る慢性心
不全などがある。そのほか、高血圧や動脈硬化が起因していることもある。
◇症状◇
●息切れ●動悸●せき●労作性呼吸困難●腹部膨満感●食欲不振●強い疲労感
●むくみ●チアノーゼ●不整脈●尿量減少●起坐呼吸
◇治療法◇
●薬剤療法:利尿薬、強心薬、血管拡張薬、降圧剤などの投与
●酸素療法:在宅酸素療法(HOT)の実施
●禁煙指導
●禁酒・飲水・塩分の制限
※高血圧・糖尿病・不整脈などがある場合は、心不全を誘発しないよう、
原因疾患の治療を行う
★高齢者には注意が必要です★
高齢者の場合、全身のだるさや、食欲低下、便秘、活動低下といった一般的な症状だけが
でることがあるので、注意が必要
☑アセスメントのポイント
●呼吸困難、胸痛発作はあるか
●水分量、塩分量制限はあるか
●現在の安静度、生活上の制限はあるか
🌸ケアプラン作成のツボ🌸
今後の見通しと支援
心不全の予後は、重症度により異なりますが、日常の生活管理をしっかり行い、
急性憎悪の兆候を見逃さないようにすることが大切
日常生活の留意点
●塩分を控えた食事、禁煙を心がけ、適度の飲酒をしない
●水分制限がある場合むやみに水分補給はしません
●体重の増加は、心不全悪化の兆候であることも多いので、同じ時間帯に、
同じ条件で、毎日体重測定をしましょう
●血圧、脈拍も毎日測り、記録しましょう
●休養、睡眠は十分に摂ります
●心臓の負担となるため、風邪などの呼吸器感染の予防が大切
●心不全では、夜間に急激に増悪することがあるため、あらかじめ
急変時の対応についてチーム間で共有するのが大切
医療連携のポイント
症状増悪の兆候がみえたときはすぐに受診
副作用・治療の影響
水分制限や利尿薬の内服などにより、便秘ぎみとなる
使える制度
身体障害者手帳